アニメレビュー「ワンピース　エピソード・オブ・アラバスタ」

• タイトル：ワンピース　エピソード・オブ・アラバスタ
• 上映時間：90分
• 公開年：2007年
• 興行収入：9億円
• 監督：今村隆寛
• 内容：グランドラインをアラバスタ王国に向かい進む、麦わら海賊団とアラバスタの王女・ビビ。アラバスタは数年前からの水不足により内乱の危機に直面していた。その内乱の黒幕が国の英雄「クロコダイル」だと知ったビビは、真相を伝えるべくアラバスタへと急ぐ。

おはこんばんちは！SEALと申します！

またワンピース映画を視聴したのでレビュー致します。今回は「エピソード・オブ・アラバスタ」ということで、原作のアラバスタ編をダイジェストで再編集した映画となっております。正直なところを申しますと、なかなかレビューするには難しい作品だと思います。アラバスタ編といえば原作ではコミックス5冊分に相当する話数になっているので、劇場版の90分に上手く収めることは困難を極めたと思います。実際、内容は原作やテレビアニメでストーリーを事前に掌握していないと素直に楽しめないのではないのかな、というのが感想です。ですが初めて視聴する方でもストーリーとして繋がるようにいろいろ工夫というか、ストーリーが改変されていたりごっそりとカットされていたりしますので、むしろ原作を知る方よりもまるっきり初見な方の方が楽しめるのかなー、とも思いました。

私は原作のアラバスタ編が大好きですし、アニメもすべて視聴していましたので若干、否定的な感想も持ちました。場面のカットや少しストーリーの流れを変えるならまだしも、私はキャラクターのセリフに大幅な改変が加えられていたことに不満を持ちましたね。特に、ルフィとクロコダイルの最終決戦の際の有名なセリフ「死なせたくねぇから、仲間だろうが！！」の前後の台詞回しが原作とは大きく変わっていました。個人的な感想ですが、変更後はルフィのセリフの重みが無くなってしまったと思いました。

他にもセリフの改変やカットによってそれぞれの場面の重みがなくなってしまった印象です。ゾロとダズ・ボーネスの決闘のところでも原作では「礼を言う。オレはまだまだ強くなれる！！」でしたが、今作では「礼を言う。」にとどまってしまっていました。たった数秒のところですが、そこをカットすることに素人ながら違和感を感じたんですが何かどうしてもそのセリフは言わせられない理由でもあったのでしょうか😅

対して全体的な作画のところでは、劇場版なのでめちゃくちゃ綺麗なアニメーションになっていました。キャラクターのデザインとかもテレビアニメより数段クオリティが上がっていますし、最後にペルが爆弾を掴んで飛び上がるシーンも作画のクオリティが上がった事が相まってより感動的になっていました。欲を言うなら、回想シーンで幼いビビをペルが叱るシーンをちゃんと描いていてくれたら、もっと感動的になったと思ったんですが😅あの、ペルのために花火を作ろうとして叱られたシーンですね。その後の仲直りのためにペルの背中にビビを乗せてアラバスタを飛行するシーンは描かれていたのですが‥しっかり叱るシーンもセットで描いてくれた方が良かったように思いました。

そして後に麦わらの一味に加わるニコ・ロビンがクロコダイルのパートナーとして登場しますが、ロビンの回想シーンでハグワールド・D・サウロとのセリフのやり取りが新規で挿入されています。まあこれは原作のエニエスロビー編の回想シーンが一部挿入されているのですが、私はこの部分はあまり要らなかったんじゃないかなーと思います。このセリフを入れるならむしろ上記のルフィのセリフやゾロのセリフを原作通りにしっかり入れてほしかったです。

全般的にネガティブなレビューになってしまいましたが、ワンピースが大好きでアラバスタ編が大好きなので辛口なレビューとなってしまいました。申し訳ありません。私がやはり気になったのは、ストーリーの改変は尺に収めるために致し方ない部分もあると思うのですが、セリフの改変がちらほら気になりましたね。ワンピースのキャラクターのセリフは原作者の尾田栄一郎さんもかなりこだわっている部分だと思うので、ダイジェストとはいえ、なるべく原作に沿ったセリフ回しで不自然にならないように劇場版として作り上げてほしかったです。

エピソードシリーズは、このアラバスタ編を皮切りにチョッパーだったりナミだったり、メリー号だったり色々なキャラクターにスポットを当てて今後も作られていきました。アラバスタ編はエピソードシリーズの最初の作品であるだったと記憶しているので、たぶん手探りの部分もあったかと思います。興行収入的には今作品も振るわなかったみたいですが、展開を知っていても視聴していて楽しい作品であることは間違いないので、よかったら皆さんも視聴してみて欲しいです。ビビと麦わらの一味の絆の部分はしっかりと描けていると思うので、観て損はしないと思います。今作品も、現在のところAmazonプライムで視聴可能です！

ではまた👋