映画レビュー「ドラえもん のび太の恐竜2006」


  • タイトル:ドラえもん のび太の恐竜2006
  • 上映時間:107分
  • 公開年:2006年
  • 興行収入:約32.8億円
  • 監督:楠葉宏三
  • 内容:2005年に声優陣を一新して生まれ変わった国民的アニメ「ドラえもん」の劇場版シリーズ第1作「のび太の恐竜」をリメイクした長編アニメ。ある日、恐竜の卵らしきものを発見したのび太。卵から生まれたのは、白亜紀の恐竜・フタバスズキリュウだった。のび太は恐竜をピー助と名づけ、ママに内緒で育てはじめることに。やがて、のび太は大きく成長したピー助を白亜紀へ戻す決心をするが……。

おはこんばんちは!SEALと申します。

今回は新ドラ映画シリーズの第1作目、のび太の恐竜2006をレビューしたいと思います。新ドラで最初の映画ということもあって、作り手の人は当時相当なプレッシャーがあったと思いますが、見事にリメイクを成功させていると思いました。内容は非常に面白かったです。今作に関しては旧作と比較してもイマイチな部分がほとんどなかったんではないかなー、と思っております。

今作からメインゲスト、メインヴィランに芸能人起用

今作はのび太が育てることになるピー助を俳優の神木隆之介さん、メインヴィランの覆面の男を船越英一郎さんが演じております。新魔界大冒険の時も書きましたが、私は芸能人が声優を務めることに否定的な意見は持っておりません。プロの声優さんとの演技の差は否めませんが、作品に新鮮な空気感を吹き込んでくれると思っておりますので、私は良いと思っております。

船越英一郎さんは俳優としてベテランなので、演技には貫禄がありました。それ以上にピー助がよかったかなーと思っております。公開当時は神木隆之介さんは小学生だったと思うので、多少棒読み感がありましたが、ピー助のセリフは鳴き声だけですので、子どもの素直な感性でピー助を演じていました。初めて視聴してから何年も経っているのですが、ピー助の声が耳に残る感じがあるのです。

手描きにこだわったアニメーション

特に今回は一作目ということもあって、アニメーションがよく動いていました。

特に中盤にティラノサウルスがブロントザウルスの群れを襲撃する場面は、迫力がすごかったですし、恐竜の重量感みたいなものも感じとれました。ティラノサウルスやスピノサウルスの、あの無機質な殺気の溢れるデザインは良かったですね。反面、桃太郎晒印のきびだんごを食べた後の、デフォルメされた可愛いティラノサウルスも良かったです。

旧作ののび太の恐竜のティラノサウルスは、まるでゴジラのような感じだったと記憶しているので、近年の新しい恐竜の解釈が反映されていてそういう面でも楽しめました。

映画だとカッコよくていい奴になるジャイアン

普段はのび太をいじめる暴れん坊だけど、映画でのジャイアンは男気溢れていてカッコいいイメージがありますよね。私的にはこの映画のジャイアンが歴代で1番カッコいいと思っています。

プテラノドンの群れに襲われた際にタケコプターを失い、のび太に助けられてその恩に報いるために、何千キロの距離を一緒に歩くと決めた男気とか、それに対し猛反対するスネ夫を諭して語りかける場面とか、涙腺弱い人ならあれは泣いちゃうと思います(笑)

終わりに

今作は旧作の空気感を大事に、細かい部分は改良を加えて旧作から正当に進化させた感じがあります。

特にのび太たちが自分の足で歩いてタイムマシンを元に位置に戻す場面。旧作はおろか原作コミックにもなかった描写ですが、これを描くのと描かないのでは結構違ってくると思っています。そしてその場所で、ピー助をその時代に置いてくる。それが物語当初ののび太達の最終目標だったからです。しっかりとのび太達の旅の終わりを妥協なく描き切ったところが、良かったと思っています。

最後のピー助との別れ、ここも涙無しには見れませんね。とりあえず観てほしいです。そこから流れるエンディングのスキマスイッチ「ボクノート」も良い曲です。新ドラ映画では有名アーティストが毎回楽曲を担当してくれるので、そこも楽しみなんですよね。旧作の武田鉄矢さんとかも良いんですが、ここも旧ドラと新ドラの違いで面白いと思っています。

のび太の恐竜2006は何度観ても面白い作品ですし、こればっかりは旧作を超えているなと思いました。特にお子さんがいる人は子どもと一緒に観てみてほしいです。きっとお子様の心にも何か残ると思います。

また次回!


コメント

タイトルとURLをコピーしました